ちょうちんそで(江國香織/新潮社)

ちょうちんそで

ちょうちんそで

 高齢者用のマンションで一人暮らしするまだ50代の雛子。他の入居者たちからは訝しがられながらも、空想上の妹と会話しながら暮らしている。連作短編の形をとりながら、さまざまな登場人物の言動により雛子の生い立ちがだんだんとわかってくる。
 生活の中のほんの小さなしぐさや習慣、そんなものが人生を形作る。壮大で切ない物語。