望郷(湊かなえ/文藝春秋)

望郷

望郷

 小さな島を舞台にした短編集。故郷というのは、懐かしくもあり疎ましくもある。必ずしも良い思い出ばかりではない。島を出るの残るのか、捨てたはずの島に戻るのか。そんな微妙な感情の重なり合った作品が収められてる。人間の感情を客観的に見据えた著者の描写はいつもすごい。