展覧会いまだ準備中(山本幸久/中央公論新社)

展覧会いまだ準備中

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 郊外の公立美術館に勤める応援団出身の学芸員。職員の中では一番の若手で、雑用やらなんやら一手に引き受けている。学芸員の仕事の内容やその苦労が全編通じて描かれており、そこに恋話や自己の将来設計への不安などがうまく絡んでいる。知らない世界なのに、妙に感情移入して読んでしまう。