ガレキノシタ(山下貴光/実業之日本社)

ガレキノシタ

ガレキノシタ

 高校の校舎が休み時間に入った直後に突然崩壊し、多くの生徒たちがその下敷きとなる。タイトル通り「ガレキノシタ」に閉じ込められた人たちが極限状況であれこれ思うさまが実にうまく描かれている。全7編の短編それぞれで主人公は違うが、回想部分を通じて同じ登場人物があり、徐々に人物像が浮かび上がってくるところが見事。
 パターンは違えど、著者の青春小説はいつもこころにしみこんでくる。