古道具屋 皆塵堂(輪渡颯介/講談社)

古道具屋 皆塵堂

古道具屋 皆塵堂

 幽霊が見えてしまう特異体質の男が、いわく付の品物が集まる古道具屋で修行することになる。幽霊とか怨念とか、どちらかというと湿っぽいはずのお話ばかりなのに、なざか軽く飄々と描かれている。底が浅いというのではなく、人物の性格設定と描写がうまいのだと思う。時代小説はあまり読まないのだけれども、江戸の人情話として楽しめた。