泣いたらアカンで通天閣(坂井希久子/祥伝社)

泣いたらアカンで通天閣

泣いたらアカンで通天閣

 新世界のはずれのシャッター通りに近い商店街でまずいラーメン屋を営業する父とその娘。父はまったく仕事に身の入らないあかんたれで、しっかり者の娘は会社の上司との不倫に悩む。近所の人々も曲者ぞろいで、大阪人情コメディのようだが、実はお話の骨格は恋愛小説だと思う。