ロマンス(柳広司/文藝春秋)

ロマンス

ロマンス

 この作者は、秀逸なトリックを使ってネタで勝負するタイプかと思っていたが、お話全体に漂う雰囲気をうまく使って、じっくりと読ませてくれる。お得意の帝都物だが、日本に貴族がいた時代ならではのお話になっている。
 なんだかんだいいながら、次作がでればまた読むと思う。