人質の朗読会(小川洋子/中央公論新社)

人質の朗読会

人質の朗読会

 テロリストに人質とされた日本人たちが順に、これまでの人生振り返り思い出を語る。波乱万丈と言うわけではなく、どちらかたというとささやかな日常のエピソードだが、それぞれがとてもせつなく、またとてもよい余韻を残す。どのお話も少しのばせば立派な長編になりうるものばかりで、とても贅沢な一冊。