第8回「面格子のよもやま話 ひねり」

 今回は、面格子でよく使われる技法のひとつである「ひねり」についてです。

 面格子はその名の通り「格子」になっているパターンが多いのですが、その直線部分に「ひねり」が加えられてるのが良く見るパターンです。

 この例を見てもらえば分かりますが、交差している部分を留めるために平らな面同士を重ねるために、その前後で「四分の一ひねり」が加えられています。ひねらなくても「格子」は構成できるはずなのに、なぜ多くの場合にこの「四分の一ひねり」があるのか考えていました。

 思いつく理由の一つ目は、強度確保です。ひねりを加えることにより外面に垂直方向に立ち向かうことができ、面格子本来の機能である「保護」能力を高めています。より強度を高めるために、交差部分を留める必要があり、そのために垂直担当と水平担当がそれぞれ「四分の一」だけひねることによる折り合いをつけているのですね。

 理由の二つ目は、視界確保だと思われます。面格子は窓の外に付いています。視界をさえぎってしまうと窓としての機能低下につながり、それを避けるためにも、邪魔にならないような向きに格子がが作られているのかと思います。

 ただ、中には交差部分と関係のない「ひねり」もあります。

 これなどは、単に装飾なのか、それともひねるとこにより、薄い板が「棒」のような強度を確保できるのか、作った人に意図を聞いてみたいものです。

 次回は、いよいよ最終回で「木製面格子」についてです。


過去記事 第1回「面格子とは何か」
過去記事 第2回「面格子の装飾付加についての一考察」
過去記事 第3回「ダイナミックな文様の面格子について」
過去記事 第4回「面格子の楽しみ お散歩編」
過去記事 第5回「面格子の楽しみ ネーミング編」
過去記事 第6回「面格子の楽しみ コーディネート編」
過去記事 第7回「面格子のよもやま話 S字」
今回終了 第8回「面格子のよもやま話 ひねり」
次回予告 第9回「面格子のよもやま話 木製」