おれのおばさん(佐川光晴/集英社)

おれのおばさん

おれのおばさん

 父親が横領で逮捕され、おばの経営する施設にひきとられる中学生男子。まるで違う環境に飛び込み、そこで健気にいきてゆく。施設の子供、おばさん、おばさんの知人友人たち、みんな何かが欠けていて、世間一般の基準で言うと「恵まれていない人」になるが、本人たちは無いものは無いと、ある面さばさばと割り切っているところが力強い。
 元気をもらった一冊。