ふがいない僕は空を見た(窪美澄/新潮社)

ふがいない僕は空を見た

ふがいない僕は空を見た

 女による女のためのR−18、という紹介文を読んでどうかと思ったが、純粋な高校生を描いた青春小説と言って良いと思う(男目線)。アニメのコスプレマニアの主婦も、その主婦と不倫関係になる高校生も、みな純粋で一途なところが切ない。周囲のいわゆる一般常識人が不純で不遜に思えてくるから不思議。
 「性」をテーマに取り上げているといえばそうだが、R−18というほどの描写は無いのでは。