オルゴォル(朱川湊人/講談社)

オルゴォル

オルゴォル

 老人に鹿児島まで届けて欲しいとオルゴールを託される小4の主人公。解決のために、離婚して家を出た父を訪ねてまずは大阪へと向かう。そこでの父はすでに再婚していて、子供もまもなくうまれるという。変わってしまった父に、反感と寂しさを感じながらも、子供なりに健気に受け止めようとする。結局、近所のお姉さんが、広島・長崎を廻るついでに、一緒に鹿児島まで行ってくれることになる。
 人が死ぬということ、親子関係、友人関係と考えさせられることの多いお話ではあるが、主人公の少年のひたむきさに引き込まれていってしまう。