原稿零枚日記(小川洋子/集英社)

原稿零枚日記

原稿零枚日記

 タイトルからして、作家の日常を描いたエッセイかと思ったが、そんなに甘くはありませんでした。どこまでが事実でどこからが虚構なのか、全部虚構といわれても納得する不思議な日記が続いていきます。いわば日記という体裁をとった、長編小説なのかと思います。(知らなかったのは、私だけかもしれませんが)

 荒唐無稽なことが次々と出てくるのですが、全体を通じての雰囲気とうまくあっているためか、ばかばかしいいと思うことも無く、お話として楽しめてしまいます。