魔法使いの弟子たち(井上夢人/講談社)

魔法使いの弟子たち

魔法使いの弟子たち

 正体不明のウイルスが突如発生し猛威をふるい、多くの方が亡くなる。生き残った感染者はたった4名でその内3名は退院を許可される。しかし、彼らには不思議な後遺症があり、それが原因で本人たちの思いとは別に、社会に翻弄されていく。

 状況設定自体が絶妙で、話の展開、その中での各キャラクタの役割なども素晴らしく、一気に読ませてくれる。作者の意図(テーマ)も明確で、良く伝わってくる。「人」を中心に読んでも、「謎」を追いかけて読んでも、どちらでも思白い。タイトルは意味深。