大人は泣かないと思っていた(寺地はるな/集英社)

大人は泣かないと思っていた

大人は泣かないと思っていた

 農協に務める時田を軸にした連作短編、年代も性格も様々な女性がそれぞれ登場する。お話の舞台はやや田舎で、女は男に従え!的な雰囲気のある中、逆らいながらも居場所を見つけていく感じがいい。男が、女が、というのはあまり好きではないけど、それを逆手にとって書く著者の小説には惹かれる。