その話は今日はやめておきましょう(井上荒野/毎日新聞出版)

 何一つ問題なく暮らしていた老夫婦だが、夫が自転車事故で怪我をしたことから物語が動く。自転車屋の店員だった青年に家政夫として来てもらうが、モノがなくなるとか気になることもある。書名は、老人が生きる上で必要な心掛けかもしれない。
 いつもながらのどんよりと低くて厚い雲がかかった感じが楽しめる。