曇天記(堀江敏幸/都市出版)

曇天記

曇天記

 月刊誌への約9年間の連載をまとめたエッセイ。実際には時間をかけて書かれたものなので、本当は時間をかけて読むのが正しい気がする。各篇に出てくる出会いや気づきが、単純に読んで終わらず余韻を持ち、いったん本を置きたくなる。
 この曇天を歩く、坂を見上げるというのが著者の基本スタンスなのかもしれない。