ひと(小野寺史宜/祥伝社)

ひと

ひと

 唯一の身寄りの母を20歳で亡くし、大学もやめてしまった聖輔、奨学金を返すために働き先を探す途中で出会ったのは、50円のコロッケ。
 お金にまつわる描写が多いのに、お金より大事なものもあると思ってしまうほど、暖かな人間関係が描かれる。美味しいコロッケは冷めてもおいしいと思う読後感。