見知らぬ記憶(小林紀晴/平凡社)

見知らぬ記憶

見知らぬ記憶

 著者は写真家のはずだが、掲載された写真よりも文章の方が妙に心に響いてくる。写真というのはその瞬間を切り取っただけで、過去の写真を何枚か混ぜて並べてしまえば、実際の時間の流れとは別の物語ができてしまう。 そんなさまよう記憶を書き出したようなエッセイ。