dele ディーリー(本多孝好/角川書店)

 自分が死んだらPCやスマホのデータを削除して欲しい、そんな依頼を生前に受け実行する企業に採用された祐太郎、社員は他に社長の圭司だけという事務所だった。
 連作短編集で、依頼の実行を重ねるうちに祐太郎と圭司の相互理解が進み、読者から見ても背景が明らかになっていく。登場人物は軽めだが、テーマは奥深い。今後のシリーズ化を期待。