明るい夜に出かけて(佐藤多佳子/新潮社)

明るい夜に出かけて

明るい夜に出かけて

 とある事情で大学を休学し、自宅を離れてコンビニのバイトで一人暮らしする富山。いったんやめたはずの深夜ラジオにネタを送る「職人」を再開する。歌うたいのバイトの先輩鹿沢、コンビニの客で職人の女子高生の佐古田、同級生の永川と、今どきの若者の交友関係を描く。
 一見薄っぺらく思えるが、何かを表現しようとする者の凄みを感じる。