あのこは貴族(山内マリコ/集英社)

 地方から大学進学で東京に出てきた美紀、そこで東京出身者との埋められない差に気づきながらも東京を離れないでいる。東京生まれで苦労知らずのお嬢さん華子、30目前で婚活に焦る。全く接点のなかったアラサー2人が、一人の男を介して知り合うことになってしまう。
 作者の東京感、時代感覚というのは、冷たく現実を見るようでもあり優しくもある。