象は忘れない(柳広司/文藝春秋)

象は忘れない

象は忘れない

 いつものミステリーではなく、福島原発の事故にまつわる短編5編。
ドラマの主人公とかになるような立場の人ではなく、ごく一般的な普通の人々の身近な話を、ノンフィクションかと思うほど客観的な感じで描いている。
 その冷静で淡々とした語り口が、事の重大さ深刻さを浮き上がらせて、読み進めるのが重苦しくなるほど。
 個人的には、時間を置いてから再読したい。