薄情(絲山秋子/新潮社)

薄情

薄情

 東京の大学は出たものの地元に帰ってきて定職にもつかない静生。神職として叔父を手伝い、夏場はキャベツ農家でアルバイトする。できる限り他人と関わりにならないようにしているはずが、都会から来た木工職人の工房に出入りするうちに他人に巻き込まれていく。
 作者の細かな仕掛けが気になるうちにはまってしまう。