出口のない農場(サイモン・ベケット/早川書房)

 何かから逃げてきた男がフランスの田舎町で森に入り込み罠に足を捕られてしまう。そのまま気を失い、目覚めると農場の納屋の二階だった。どこかおかしい農場の秘密が徐々に分かるのと、逃げてくる前のロンドンの回想が交互に語られ、じわじわと真相に近づく感がとてもスリリングでたまらない。