鴨川食堂(柏井壽/小学館)

鴨川食堂

鴨川食堂

 「食探します」の一行広告を頼りに、看板もない食堂を探して訪れるのは、過去に食べた思い出の「食」をもう一度食べたいという客たち。探偵役の娘と料理人の父。単に食事を提供するだけでなく、依頼人の当時の思い出を再現したり、まつわる謎を解きもする。人情モノだが、料理の味を想像する楽しみもある。
 京都本も多く書く著者にかかると、正面通りには本当にこんな食堂があるかもと思えてくる。