水やりはいつも深夜だけど(窪美澄/角川書店)

水やりはいつも深夜だけど

水やりはいつも深夜だけど

植物の名前が入ったタイトルの短編が5作。普通の家庭を描いたというが、ほんの少しずれていて生きるのに苦しみもがいている人々を描く。作者の描く人物像はいつも独特で、どこにでもいそうだけど、ここにしかいない人という感じ。読んでいて、共感するところと驚嘆するところが交互に出てきて、とても切ない。それでも読後感が少し暖かいのが素敵。