少女キネマ 或は暴想王と屋根裏姫の物語(一肇/角川書店)

 友人の死の謎を解くために東京の大学に入りなおした二十歳の男のアパートの屋根裏に黒髪の女子高生が住んでいた。それまで気持ちだけで何もしてこなかった彼が、突然友人の遺作である未完の映画を仕上げようとする。
 よく分からないままに一気に突っ走る感じと、妙に青臭い青春感がさわやか。