波風(藤岡陽子/光文社)

波風

波風

 どちらかというと女性目線の7つの短編。どの作品の主人公も、過去からの疑問や迷いに対し、いまここでけりをつけるとばかりに決断し、踏み出そうとする局面を描いているように思う。そんな中にあって、女性対象の着付け教室になぜか通い続ける男性老人のお話が、心に残る。