彼女の家計簿(原田ひ香/光文社)

彼女の家計簿

彼女の家計簿

 一人で娘を育てる主人公のもとに、疎遠な母から祖母の昔の家計簿が送られてきた。戦前戦中の家計簿を読みながら会ったことのない祖母の人生を共有し、現実社会ではその女性支援のNPOと関わり、さまざまで複雑な女性問題に直面する。
 ばらして書いたら長編3本になるのではないかと思うような展開が同時進行しながら、見事に絡み合うぜいたくな一冊。