怒り(上下)(吉田修一/中央公論新社)

怒り(上)

怒り(上)

怒り(下)

怒り(下)

(上下巻を通しての感想です)
 殺人現場に「怒」という血文字を残した犯人が一年以上逃亡している。東京、千葉、沖縄と3ヶ所でそれぞれ身元不明の男が現れるお話が、殺人犯を追う刑事目線の話を挟みながら独立して交互に語られていく。男たちに関わる人々も、彼が殺人犯ではないかと疑いを持つ。
 少しづつ不安を煽っていく感じがとてもスリリング。上巻を読み終えた時には、このお話は終わらないのではないかと心配した。