手のひらの音符(藤岡陽子/新潮社)

手のひらの音符

手のひらの音符

 40代の独身デザイナーが、会社方針により服飾事業から撤退することになり、転職をしなくてはいけなくなる。高校の同級生から連絡があり、恩師が病気療養中であまりよくないことを知らされ、久しぶりに地元に戻る。
 少し不器用でもひたむきに生きてきた時に、ふと人生を見つめなおすことになる。人生の転機を考えながら、子供時代のことが回想されるが、そのバランスが絶妙。何があっても前に進むという大切さを知らされる。