ほろびぬ姫(井上荒野/新潮社)

ほろびぬ姫

ほろびぬ姫

 夫が昔生き別れになった双子の弟を見つけ出し家に連れてきた。まったく同じ顔立ちをしているが、所作や性格はまったく違うふたり。読めば分かるのでここでは書かないけど、それをなんともずるい書き方で描いていく。その効果は絶大で、読み進むにつれ引き込まれ、なんともいえないスリルがある。