あとかた(千早茜/新潮社)

あとかた

あとかた

 結婚直前の迷い、不倫、自傷、届かぬ思いを、なんとか形として残したい。感情だけでは、言葉だけでは満たされない、そんな事柄を主題とした連作短編。どの作品も非常に重苦しく、また、切なすぎる。少しづつ、お話の視点をずらしながら、各短編が絡まって、全体としてのイメージができあがる。
 体調の悪いときには読めないかもしれない。