火口のふたり(白石一文/河出書房新社)

火口のふたり

火口のふたり

 基本的には真面目だが女性関係だけはそうでない男。浮気が原因で離婚と退職を経験し、従姉妹の結婚式に出るために帰郷するが、その従姉妹と関係を戻してしまう。数日後に挙式を控える中、二人の関係はさらにエスカレートしていく。常識もモラルも無く、単に官能の世界へと落ちていく。他の作品ほど、深みや凄みは感じない。