泣きながら、呼んだ人(加藤元/小学館)

泣きながら、呼んだ人

泣きながら、呼んだ人

 娘とその母を描いた4つの短編。登場人物を少し重ねながら順に描いていく。親子だから分かり合えと当然ということはなくそこにはいくつもの対立や葛藤がある。そんな心情を描いていく。うまいなあと思うのは、直接的に娘と母の関係を書くだけでなく、兄妹、夫、義父母、子供 をからめて、その関係を浮き彫りにしていくこと。