のろのろ歩け(中島京子/文藝春秋)

のろのろ歩け

のろのろ歩け

 中国・台湾でたくましく過ごす日本人女性のお話が3篇。ファッション雑誌の創刊のため北京で働く女性編集長。仕事の仕方も生活習慣の何もかもが違い四面楚歌の中でやりぬこうとする。他の作品もそうだが、結構大変な局面でも深刻にならずに妙に軽やかに対処する主人公たちになんか救われる気がする。おそらく作者の優しい視線が作品をささえているからかと思う。