火山のふもとで(松家仁之/ 新潮社)

火山のふもとで

火山のふもとで

 日本を代表する建築家の事務所に就職した若き建築家の主人公。そこでの仕事と恋についての長編小説。夏の間は軽井沢の別荘に事務所を移して活動するなどそんな世界もあるかと新鮮。建築にまつわる事柄、人物特徴に関するものなど細かい描写がそこらじゅうに出てくる。しかしそれらが嫌にならずに、お話はぐいぐいと進む。とても新鮮でさわやかでそして切ない。