生きるぼくら(原田マハ/徳間書店)

生きるぼくら

生きるぼくら

 何年も引きこもりを続け自宅から一歩も出なかった青年が、唯一の家族である母親に家出され取り残される。母が残していった年賀状を頼りに蓼科の母の実家へ向かうが、祖母は認知症で孫の顔も分からなかった。同居するうちに祖母の作るお米の美味しさに目覚め、やったこともない稲作をすることになる。
 いじめ、引きこもり、就職難、介護、と暗いことばかり出てくるお話だが、少しづつ前に進む感じがに救われる。読むだけで妙な達成感も味わえ暖かな読後感。