わたしがいなかった街で(柴崎友香/新潮社)

わたしがいなかった街で

わたしがいなかった街で

 東京で大阪でユーゴスラビアで、また現在と過去が行き来するなんとも不思議な感覚のお話。最近の著者にはこういう少し落ち着かない感じのお話が多いような気がするが、振り回されてるようでもなんとなく感じ取れるものがあるから不思議。あの時そこに居れば、もしくは居なければ。仮定の話も加わり奥行きがある。個人的には、大阪の街の描写がとてもよい感じ。