左京区恋月橋渡ル(瀧羽麻子/小学館)

左京区恋月橋渡ル

左京区恋月橋渡ル

 寮と研究室で大半の時間を過ごし、花火が趣味というまじめな大学院生が、ある雨の日に糺の森で素敵な女性に出会い恋をしてしまう。恋愛経験などなるでない不器用な主人公に友人の恋人がアドバイスし、再会を果たすことができる。
 笑い話のように純情な男子学生だが、実はどこにでもいる男子の代表で笑えない。いつの間にか心の中で「がんばれ」と応援している。恥ずかしくなるほどの切ないお話だが、読後感はさわやか。