ダークルーム(近藤史恵/角川文庫)

 単発の短編8編を収めている。どの作品も、普通の生活から少し離れたところにある人間の「ダーク」な一面をうまく描いている。ミステリといっても謎解きが主体ではなく、謎のあるお話という感じ。
 同じ短編集でも、この著者のシリーズ物は読み応えもあり楽しめるが、この短編集は少し不完全燃焼したまま最後まで到達してしまう。