女神のタクト(塩田武士/講談社)

女神のタクト

女神のタクト

 職を失い当てもなく神戸に来た主人公は不思議な老人に出会い、アルバイトの話を持ちかけられる。つぶれかけのオーケストラのために、かっての世界的指揮者で、いまは引きこもりになってしまった男を京都から連れてこいという。
 主人公はじめ、登場人物の性格設定がとにかく極端で、その行動も無茶苦茶。当然ながらお話の展開も強引だが、全編に流れる「音楽が好き」という感じが伝わってきていい。