水の柩(道尾秀介/講談社)

水の柩

水の柩

 中学生の主人公は、いじめを受けてる同級生から小学校時代のタイムカプセルを掘り返して将来の自分への手紙を書き直したいと相談を受ける。誰にも隠しておきたい過去があり、その発覚を恐れる。主人公の家族の思いもそれぞれで、話に奥行きがある。
 田舎の温泉宿の雰囲気が良く出ていて、単に子供の話ではなくとても味わい深い作品。