望月青果店(小手鞠るい/中央公論新社)

望月青果店

望月青果店

 故郷を離れアメリカで暮らす主人公に、母親の具合が悪いとの連絡が入る。帰国しようとするが大雪に見舞われ停電も起こり家から出られない。悶々とするなかで、故郷の景色や母との確執が思い出される。
 母に反発し、故郷を捨てたはずなのに、なぜか果物とともに様々な想いがよみがえる。
 しんしんと降る雪の中で、ひしひしと伝わる少し切ない気持ち。