コラプティオ(真山仁/文藝春秋)

コラプティオ

コラプティオ

 政治の混乱と原発事故を題材にしたお話。フィクションとはわかっていても、現実世界の事件や人物と重ねてしまう。
 従来からの政治家にいないタイプで国民から圧倒的支持を受ける総理大臣、それを支えるまじめな内閣調査官、そのかっての同級生ですこしひねくれた新聞記者、とややできすぎの極端な登場人物設定だが、これが文句なしに面白い。これ以外の登場人物もみな性格設定がはっきりしていて、長いお話を一気に読ませてくれる。