彼女がその名を知らない鳥たち(沼田まほかる/幻冬舎)

彼女がその名を知らない鳥たち

彼女がその名を知らない鳥たち

 読み始めたとたんに後悔する重いお話。主人公の中年女性は、ほぼ壊れているし、同居している男は人生をすでに捨てている。ともに過去の良き日に思いをはせながらも惰性で暮らしているよう。
 そんないやなお話なのに、なぜか読んでしまう。最後まで読んで初めて、とても下品だが純愛小説だったのかと納得。