本日は大安なり(辻村深月/角川書店)

本日は大安なり     

本日は大安なり    

 同じ日に同じ結婚式場で挙式する4組にまつわるお話を描いた少しドタバタな娯楽長編。詳しい説明なくそれぞれの登場人物の視点で話が始まり、少しづつ状況が明らかになっていく。話の展開は、とてもうまく、またとてもずるい。実に巧妙に種明かしをしながら、あらたな驚きを読み手に与えていく。
 その過程で、4組それぞれの心温まるエピソードもあり文句なく楽しい一冊。