白いしるし(西加奈子/新潮社)

白いしるし

白いしるし

 失恋ばかり繰り返し気がつけばもう32歳の主人公。特に何か大きなストーリーがあるわけではないし、事件が起こるわけでもない。極めて日常的なことを綴りながら、とても情熱的な思いを切なく描く。断片的な会話や描写の中に、面白みのある味わい深いおはなし。