ツナグ(辻村深月/新潮社)

ツナグ

ツナグ

 死んだ人に一度だけ面会を申し込める、死者もその申し出を一度だけ受けられる。それが可能なら、誰に会いたいか、何を訊きたいか。ありえない話とは分かっていながら、もしそうなら自分ならどうする、と話がふくらむ。
 仲介役の「使者」が高校生という設定が、過去を振り返るだけの暗い話にならない理由かと思う。当たり前だけど、生きてる人間が生きてくしかない。